光透過型電子基板欠陥の高精度・高速自動検査装置

本装置は、COF(Chip on Film)やTAB(Tape Automated Bonding)などの光透過型電子基板画像を光速度で差分し、欠陥を並列・高速に検査する装置です。COFやTABは、携帯電話や液晶ディスプレイ等へのLSI組込みになどに用いられる光透過型フレキシブル電子基板のことです。

光透過型電子基板欠陥の高精度・高速自動検査装置 技術シーズ資料リスト

参考:テクニカルアイとは、科学技術振興機構が研究・収集した研究成果を掲載したデータベースであるJ-STOREに掲載している情報等の中から、特許の目利きが特に自信を持ってお勧めする技術情報を実用化の観点から整理して提供しているものです。技術の背景、内容、特徴など図を交えて簡潔にまとめ、PDF出力も可能となっています。ちょっとした読み物としてご利用頂くこともできますので、ぜひご覧ください。また、新技術開発財団は広く科学技術に関する独創的な研究や新技術を開発し、これを実用化することによって我が国の産業・科学技術の新分野等を醸成開拓し、国民生活の向上に寄与することを目的として、「独創的な新技術の実用化」の開発試作を対象にした助成を行っています。

<装置構成の概要>

装置の光学構成図

本装置は、全く新しい方法を用いた検査装置です。原理は、凸レンズの前焦点面に置いた光透過型被検査基板に、可干渉性レーザの平行光を当てたときに生ずる光回折パターンをレンズの後焦点面で、あらかじめ取り込まれた参照基板の光回折パターンとの間で光学的な差分画像を生成し、さらに逆フーリエ変換して、欠陥画像だけを抽出するものです。

<従来技術>

従来の実画像比較による検査方法を用いた場合、最近の回路パタ-ン形状の高密度化・高精細化に対応するためには、さらなる高精度の画像比較が必要になり、位置合せ機構、焦点合わせなどの高精度化も困難な状況です。

従来例の説明図

<製品の特徴>

本検出方法によれば、物体形状が小さいほど光回折パターンは空間的に拡がり、また、物体の位置がずれても光回折パターンの中心は常に照射光の光軸中心にあります。従って新技術は、欠陥画像抽出に拡大画像を必要とせず、細かな位置合わせを必要としない、高分解能の画期的な検査法です。

また、光アナログ方式でフーリエ変換差分演算を行うので、光速度での演算が可能となり、高精細な検査をオンラインで検査することが可能です。

透明基板上の液晶パネル、太陽電池パネル、有機ELパネルなどの検査に応用されることが期待されます。

<光アナログ法の原理説明図>

光アナログ法の原理説明図

<実験装置概要>

実験装置図及び写真